パチンコ店は釘調整をしても良いのか?


結論から言うと、現在の日本の法律(風営法)において、
パチンコ店が自社の利益や出玉をコントロールする目的で
「釘を意図的に曲げる・調整する」行為は、明確な『違法行為』です。

私たちが「パチンコ店は毎日釘を叩いて調整しているのでは?」
と思うのも無理はありません。
しかし、近年の取り締まりは非常に厳格化しており、
2022年には「釘の叩き方を教える学校(釘学校)」や
店舗の経営者が逮捕・書類送検されるなど、
警察庁による本格的な摘発が相次いでいます。

なぜ釘調整は違法なのか?
(法律上の理由)

パチンコ店が釘調整を行えない理由は、
風営法(風俗営業等の規制及び適正化等に関する法律)
の以下のルールに基づいています。

① 「検定」をパスした状態から変えてはいけない

パチンコ台は、メーカーが出荷する前に「保安通信協会(保通協)」などの試験機関で、
出玉のスピードや確率などの厳しい検査(型式試験)を受け、
都道府県の公安委員会から「検定」を受けます。
店に設置されたあとに釘を曲げて、
メーカー出荷時と異なる性能(回りやすさ)に変えてしまうことは、
風営法で禁止されている「無承認変更(不正改造)」に該当します。

② 一般入賞口を完全に潰してはいけない

過去に大きな問題となったのが、ヘソ(始動口)に玉を入りやすくする代わりに、
それ以外の「一般入賞口」の釘をガンガンに閉めて、
玉が絶対に投資に回らないようにする調整です。
これによりギャンブル性が過度に高くなるため、
警察庁は「本来の性能を著しく損なう改造」として厳しく規制しています。

パチンコ店側の「建前」と「グレーゾーン」

「釘調整」ではなく「メンテナンス(保全)」

パチンコ釘は真鍮(しんちゅう)という比較的柔らかい金属でできており、
重さのある鋼鉄のパチンコ玉が1日に何万発もぶつかるため、
放置しておくと自然に釘が曲がってしまいます
風営法第12条には
「営業所の設備を適正に維持しなければならない」
という規定があります。

そのため、お店側は以下のように主張します。

「釘を曲げて出玉を調整したのではない。
玉が当たって自然に曲がってしまった釘を、
出荷時の正しい状態(おおむね垂直)に戻す
メンテナンス(清掃・保全)をしただけである」


法律上、この「元に戻すメンテナンス」であれば、
事前の警察への申請・承認は不要と解釈されています。
お店はこのルールを盾に、摩耗対策という名目で
微調整を行っているのが実態です。

現在(最新)の規制状況とチェック体制

現在、警察庁および業界団体は、この
「メンテナンスと言い張る実質的な釘調整」を撲滅するため、
以下のような非常に厳しい包囲網を敷いています。

  • 「釘確認シート」の導入
    2017年以降の新台には、メーカーから「釘確認シート」という透明のアクリル板
    (釘の正しい位置がプリントされたもの)が同梱されています。
    警察の立ち入り検査の際、このシートを盤面に重ね合わせ、
    プリントされた円から釘の頭がはみ出していれば、
    その場で一発アウト(不正改造)となります。
  • 広告・宣伝の厳罰化
    2023年以降、パチンコ店の広告規制が一部緩和されましたが、
    「本日は釘が甘い」「ヘソが開いている」ことを匂わせるイベント告知やSNS投稿は、
    警察庁の通達により完全に禁止されています。
    (射幸心をそそる、または違法行為を自白しているとみなされるため)
法令上の結論
行為法律上の扱い実務上の現実
利益を削る/出すための「釘調整」完全な違法(風営法違反)見つかれば営業停止や逮捕のリスクがある
経年劣化を直す「メンテナンス」合法(申請不要の保全行為)釘確認シートの「許容範囲内」でのみ許される

つまり、現在の法令に沿って言えば、
「パチンコ店は釘調整をしてはいけない。
許されているのは、メーカー出荷時の初期状態にいつでも戻せるよう、
わずかな歪みを直す整備だけ」
というのが厳格な答えになります。

それでも、毎日釘調整はされている気がする

パチンコ店が「(法令で禁止されている)利益や出玉のコントロールを目的とした釘調整」
を行っている証拠は、警察による摘発事例、裁判の記録、
そして現場に残る物理的な痕跡など、
さまざまな形で客観的に証明されています。

警察の摘発・書類送検の事実(最大の公的証拠)

全国の警察(生活安全課)が定期的に行う立ち入り検査などで、
実際に意図的な釘調整(風営法違反:無承認変更)が発覚し、
経営者や店長が逮捕・書類送検された事例がいくつも存在します。

  • 売上向上のための釘曲げ自白:
    宮城県のパチンコ店が摘発された際、店長が警察の調べに対して
    「売上を上げるために(意図的に)釘を曲げて当たりにくくしていた」
    と容疑を認め、書類送検されています(この店舗はその後閉店)。
  • 「釘学校」の摘発:
    パチンコ店の店長らに釘の叩き方・調整方法を教えていた
    東京都内の「釘学校」の経営者や講師が、
    店舗の違法な釘調整を手助けした(無承認変更幇助)
    として警察に摘発されました。
    こうした「調整技術を教えるビジネス」が成立していたこと自体が、
    業界内で組織的に釘調整が行われていた強力な証拠と言えます。

裁判の判例(内部告発による証拠)

パチンコ店の運営企業と従業員の間で起きた労働裁判の記録にも、
釘調整の実態が「証拠」として残されています。

  • 「パチンコ店経営会社A社事件」(横浜地裁 2022年)の例:
    会社の代表者とコンサルタントが、
    「出玉が少なくなるよう、警察の承認を得ずに悪質な釘調整」
    を行っていたケース。
    これを見かねた社内の監査役(従業員)が
    「違法な釘調整はやめるべきだ」と注意し、
    最終的に警察へ内部告発を行いました。
    会社側はこれを理由にこの従業員を降格・減給処分にしましたが、
    裁判所は「公益通報(内部告発)への不当な報復であり無効」と判決を下しました。
    裁判の過程で、店側が違法な釘調整を行っていた事実が
    厳然たる証拠として扱われています。

現場に残る「物理的な痕跡」(客観的証拠)

毎日パチンコ台を打っているユーザーや、
警察が使用するチェックツールによっても
物理的な証拠が確認できます。

  • 「釘確認シート」とのズレ:
    警察や業界団体が立ち入り検査の際に使用する、
    メーカー出荷時の正しい釘位置がプリントされたアクリル板
    (釘確認シート)があります。
    これを盤面に重ねた際、
    釘の頭がプリントの枠から明らかにズレている
    (ハの字に開いている、または閉じている)台
    が多数発見されており、これが物理的な不正改造の証拠となります。
  • 釘の根元の「傷」や「ガタつき」:
    釘は「釘ハンマー(板金ハンマー)」や専用の工具(釘ブセ)
    で叩いて微調整されます。
    何度も叩かれた釘は、
    根元のセル板(プラスチックの盤面)に不自然な傷やひび割れができたり、
    釘の頭に金属が擦れたような不自然な光沢(叩き傷)が残ります。
    これは自然消耗では絶対に起きない痕跡です。

データ上の矛盾(統計的証拠)

パチンコ台の内部データ(大当たり確率や、玉がヘソに入った回数など)
はすべてコンピューターで管理されており、
これが店側の「調整」の証拠になることもあります。

  • 「1000円あたりの回転数」の急激な変動:
    パチンコ台は、メーカー出荷時の釘設定のまま打つと、
    全国どこで打っても「1000円あたりおよそ〇〇回転」という
    平均値に落ち着くように設計されています。
    しかし、同じ店・同じ台であるにもかかわらず、
    「特定の日だけ急激に回るようになる」
    「翌日には全く回らなくなる」
    というデータ上の乱高下が起きることがあります。
    「玉が当たって自然に釘が曲がった」という言い訳では、
    特定の日(お店の特定イベント日など)に合わせて都合よく
    一斉に釘が曲がったり戻ったりすることを説明できないため、
    人工的な操作(釘調整)が入っている強力な状況証拠になります。

やっぱり釘調整は行われている

パチンコ店側は法律を遵守する建前として
「これはメンテナンス(経年劣化の修正)である」と主張しますが、
実際には「売上のために釘を曲げた」という店長らの供述、
警察のシートチェックでの違反摘発、
さらには釘調整をめぐる社内トラブルの裁判記録などから、
パチンコ店が意図的な釘調整を行っている(行ってきた)事実は
明白な証拠によって裏付けられています。

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